ダイエットといえば、運動やサプリメント、糖質制限など様々な方法が思い浮かぶと思います。今回は、その中でも食事制限に焦点を当てて正しいダイエット方法を解説していきます。
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そもそも“痩せる”とは?
ではまず初めに、痩せるの定義について確認しましょう。
痩せる=消費カロリー>摂取カロリーの図式が成り立つときに初めて体重(脂肪、筋肉などの総称とします)が減ることになります。
この図式に数字を当てはめて考えてみましょう。
一般的に体重1kgを減らすためには7000kcalを減らすことが必要です。ということは、例えば1日2000kcalのカロリー分の食事を摂っている人が、1日600kcalまで減らしたとします。そうすると7000÷(2000-600)=5、この600kcalの食事を続けると5日で体重が1kg減るという計算が成り立ちます。単純に食べる量を減らすことで体重が減る=これを仮にダイエットと呼ぶのならば“食事制限はダイエットに有効である”という結論になります。しかし、いくらダイエットをしたいからと言っても体に負担がかかることを続けるのは危険です。そこで、次章では食事制限ダイエットをする上で注意してほしい点を管理栄養士の視点から解説していきたいと思います。
食事制限ダイエットのルール
基礎代謝を知る
基礎代謝という言葉はご存知ですか?基礎代謝というのは“人間が生きていく中で、なにもせずじっとしていても生命活動に必要な最低限のエネルギー(カロリー)”のことです。じっとベットの上で伏せていても、私たち人間の心臓は毎日毎分休みなく動いていますし、呼吸もしています。排泄も発汗もします(寝ている間でも汗をかきます)。ですから、この生命活動に必要な最低限のエネルギー分の食事は必ず摂らなくてはなりません。
一般的には成人男性で1日約1500kcal、成人女性で約1200kcalと言われています。この基礎代謝は《基礎代謝基準値(※1(kcal/kg体重/日×参照体重(※2》の式で求めることができます。
※1・・・体重1kg当たりの基礎代謝量の代表値 (男性は18~29歳で24.0、30~49歳で22.3、女性は18~29歳で22.1、30~49歳で21.7)
※2・・・該当年齢の平均的な体重 (男性は18~29歳で63.2kg、30~49歳で68.5kg 、女性は18~29歳で50.0kg、30~49歳で53.1kgとなっています。)
そしてこの基礎代謝ですが、人間にはいくつも臓器がある中で肝臓・脳・骨格筋で約6割のエネルギーを消費します。肝臓は食べたものの解毒をする臓器で、食べたもの・飲んだものによってはたくさん動かす必要があるため、例えばお酒を飲むと飲まないときに比べてより肝臓を動かす必要が出てくるため、食事制限ダイエット中はそういった意味からもお酒は控えておく方が良いですね。
ここまでをまとめると、基礎代謝分のエネルギーは必ず毎日摂る必要がありますので極端な食事制限は生命活動を脅かすことになり危険です。一度、自分の基礎代謝を算出してみてください。
単食ダイエットは控える
前章で基礎代謝分のエネルギーは最低限、摂ってくださいとお伝えしました。では、果たしてエネルギー量さえ守ればどんなものでも食べてもいいか?というと・・・・
例えば、基礎代謝が1200kcalの女性がいるとします。この女性は、必要なエネルギーである1200kcalすべてを“油のみ”で摂ると考えました。油は1gで9kcalと計算ですので140gの油で賄えます。「だったら1日140gの油を飲んであとはじっとしていたら痩せるんですね♪」と思うのは・・・大間違いです(笑)
単食ダイエットはバランスが悪く、体を壊す危険性があります。
ダイエット中の食事といえば本来はバランスよく、炭水化物も脂質もたんぱく質もビタミン・ミネラルもしっかりと摂るのが理想です。ですが、なかなか現実は難しい場合も多くバランスが偏ってしまいがちです。どれくらい、なにを食べたら良いのかということをきっちり計算しながら毎回食事をすることは難しいと思います。そこで計算は置いておいて内容重視型の食事制限ダイエット中に《これだけは食べて!リスト》《これだけは控えて!リスト》をご提案します。
オススメの食材リスト
《これだけは食べて!リスト》
◼️たんぱく質・・・毎食、肉・魚・卵・大豆製品のいずれかを必ず食べるようにしましょう。目安は自分の手の平大の量です。
◼️葉野菜・・・レタス、キャベツ、白菜、ホウレンソウ、小松菜など葉野菜には食物繊維が豊富でまさにダイエットの味方です。1日3食のうち最低1回、できれば3食とも食べてください。
◼️色の濃い野菜・・・ニンジン、ブロッコリー、ピーマンなど。これらはビタミンやミネラルが豊富で体調を整える働きがあるので1日3食のうち最低1回、できれば3食とも食べてください。
《これだけは控えて!リスト》
◼️コンビニの揚げ物、ポテトチップスなどの揚げたお菓子・・・酸化された油を使っていることが多いため避けたほうが無難です。
◼️お酒・・・肝臓に負担もかかりますし、食欲の満腹中枢を狂わせ食欲増進作用を引き起こします。
◼️マーガリン、ショートニング、ファストスプレッド・・・トランス脂肪酸はいわゆる“食べるプラスチック”と言われており、体内にとどまる時間が長く代謝しにくい油なので控えるほうが無難です。これらは菓子パンやケーキ、クッキーなどに含まれる場合が多いため、まずは買う前に裏の成分を確認してください。
まとめ ~おすすめの食事制限ダイエット~
2章の追記になりまずが、ざっくりと最後に食事制限ダイエットをする上での食材選びのおすすめ方法をご提案します。
主食
パン、パスタよりごはんを(雑穀米だとよりおすすめです)。パンは製造過程でバターやマーガリンを使用するためなにも塗らなくても必然的に髙カロリーになります。また小麦粉に含まれるグルテンは依存性があります(食べ過ぎてしまう)。
肉類
たんぱく質摂取には欠かせない栄養源ですが脂身たっぷりのお肉はNG。脂肪が少ない鶏肉(ささみ、胸肉)が最もおすすめ。豚肉はビタミンBが豊富で代謝には欠かせない栄養素がつまっていますが脂身を落として食べるようにしてください。牛肉は鉄分補給に◯。霜降りではなく赤身を選んでください。
魚
骨まで丸ごと食べられる小魚が最もおすすめです。背の青い魚が持つ油(DHA,EPA)も体や脳に良いのでサバなどの青魚も良いですね。
油
トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング・ファストスプレッド)は避ける。摂るならシソ油、亜麻仁油、オリーブオイル、ココナッツオイル。ただし1g当たり9kcalあるのであえて油を飲んだり摂る必要はなく調理で使う程度に留める。摂りすぎには注意。
味付け
濃いとごはんが進んでしまうため、薄めを心がける。柚子胡椒、ポン酢、わさびなど香りを楽しむ調味料を使うと塩分が減らせるため上手く活用しましょう。
間食
茎わかめ、乾燥昆布などはたくさん噛むことで満腹感につながるので食べすぎ防止になります。ナッツ類は少量で満腹感がありビタミンEも豊富でオススメ。また、ゆでたまごやゆでた鶏ささみなども◎。甘いお砂糖を含むお菓子は依存性もあるため避ける方が無難です。
今回のテーマは“食事制限ダイエットは有効か?”の検証ということでしたが、その答えとしては“食事制限は有効。しかし方法や内容には注意が必要!”という結論になりました。「どうも運動が苦手で・・・運動をする時間がないの・・・でも春に向けてダイエットをしたい!」という方は一度ご自身の食事内容を見直してみませんか?
今回は正しい知識を持ち、食事制限ダイエットを成功させるコツを今回はお伝えしました。
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【参照】日本医師会HP 基礎代謝についてhttp://www.med.or.jp/forest/health/01.html


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